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ウレタンフォームがすぐヘタる原因とは?用途・圧縮率・素材から考える選定ポイント

「ウレタンフォームを使用していると、すぐに潰れて元に戻りにくくなった」
「長期間使用できるスポンジを選びたい」
「硬いウレタンを選べばヘタリにくいのだろうか」―このようなお悩みをお持ちではないでしょうか。

ウレタンフォームのヘタリは「素材」だけでなく、使い方や圧縮条件にも左右されます。

単純に「品質が悪い」「硬度が低い」といった一つの原因だけで決まるものではありません。使用する素材の種類、密度や硬度、圧縮率、使用環境、繰り返し荷重など、複数の条件が関係します。

そのため、ヘタリを抑えるためには、単に硬い素材や密度の高い素材を選ぶのではなく、実際の使用条件に合わせて適切なウレタンフォームを選定することが大切なポイントになります。

この記事では、ウレタンフォームがヘタる主な原因と、用途に合わせた素材選定のポイントについて解説します。

この記事のポイント
  • ウレタンフォームの「ヘタリ」とは、圧縮された後に元の形状へ戻りにくくなる現象
  • ヘタリには、素材の種類だけでなく圧縮率や使用回数、使用環境も影響する
  • 密度が高い=必ずヘタリにくい、硬い=必ず長持ちする、とは限らない
  • 長期使用する部品ほど、実際の使用条件を考慮した素材選定が重要

ウレタンフォームの「ヘタリ」とは?

ウレタンフォームは、内部に細かな気泡構造を持つ素材です。クッション材や緩衝材、パッキン・シール材などでは、圧縮された後に元の形状へ戻る性質を利用しています。

しかし、長期間にわたって圧縮を繰り返したり、大きな荷重がかかり続けたりすると、徐々に復元力が低下し、元の厚みや形状に戻りにくくなることがあります。

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このような状態が、一般的に「ヘタリ」と呼ばれます。ヘタリが進行すると、例えば次のような問題が発生する可能性があります。

  • クッション性や衝撃吸収性が低下する
  • 必要な厚みを維持できなくなる
  • 密着性が低下する
  • 部品のガタつきが発生する
  • 緩衝性能が安定しなくなる

特に、長期間圧縮された状態で使用される部品や、繰り返し荷重を受ける部品では、初期性能だけでなく長期間使用した場合の性能変化も考慮する必要があります。

関連記事:ウレタン(ポリウレタン)とは?特徴・種類・用途をわかりやすく解説

ウレタンフォームがすぐヘタる主な原因

ウレタンフォームのヘタリには、さまざまな要因が関係します。ここでは、特に確認したい5つのポイントを紹介します。

① 圧縮率が大きすぎる

ヘタリに大きく影響する要因の一つが、使用時の圧縮率です。

例えば、スポンジを本来の厚みに対して大きく潰した状態で使用すると、素材への負担が大きくなります。

特に、

  • 常に大きく圧縮されている
  • 繰り返し大きな変形を受ける
  • 必要以上に薄く潰して使用している

といった場合は、復元性の低下につながる可能性があります。

圧縮率は「どの程度潰しているか」を確認する

例えば、厚み10mmのウレタンフォームを5mmまで圧縮して使用している場合、圧縮量は5mmです。

この場合、圧縮率は以下のように考えることができます。

圧縮率 = 圧縮量 ÷ 元の厚み × 100

この例では、50%圧縮していることになります。

同じ素材でも、20%程度の圧縮で使用する場合と、常時50%以上圧縮する場合では、素材にかかる負担が異なります。

そのため、素材を選定する際は「どの素材を使うか」だけでなく、実際にどの程度圧縮して使用するのかを押さえておきたいポイントです。

② 繰り返し荷重による疲労

一度だけ圧縮される場合と、毎日何千回、何万回と圧縮を繰り返す場合では、素材に求められる性能が異なります。

例えば、

  • クッションの着座
  • スイッチや可動部の押圧
  • 緩衝部品への繰り返し衝撃
  • 開閉動作に伴う圧縮
  • 機械の振動による繰り返し変形

などでは、長期間にわたって繰り返し負荷がかかります。初期状態では問題なくても、使用を続けることで徐々に復元力が低下する場合があります。

このため、「一度の圧縮で問題ないか」だけではなく、「何回程度繰り返し使用するのか」という視点も意識しておきたいところです。

③ 素材の種類が使用環境に合っていない

同じウレタンフォームでも、素材の種類によって特徴が異なります。代表的なものとして、ポリエーテル系とポリエステル系があります。

それぞれ耐水性、耐油性、機械的特性などに違いがあるため、使用環境によっては適した素材が異なります。

例えば、

  • 湿気や水に触れる環境
  • 油に接触する環境
  • 高温または低温環境
  • 長期間使用する環境

などでは、使用条件に適した素材を選定する必要があります。使用環境を十分に確認せずに素材を選定すると、経時的な性能変化が大きくなる可能性もあります。

関連記事:ポリエーテルフォームとポリエステルフォームの違い

④ 密度だけで素材を選んでいる

「密度が高いウレタンフォームならヘタリにくい」と考えられることがあります。

密度は素材の特性を確認する重要な指標の一つですが、密度だけでヘタリのしにくさを判断することはできません。

実際には、

  • 素材の種類
  • 硬度
  • 反発性
  • 圧縮条件
  • 使用環境
  • 繰り返し回数

なども関係します。

そのため、「密度が高いから長持ちする」と単純に判断するのではなく、用途に必要な性能を総合的に確認することが重要です。

⑤ 使用環境による経時劣化

ウレタンフォームは使用する環境によっても影響を受けます。

例えば、

  • 高温環境
  • 高湿度環境
  • 水分への接触
  • 油や薬品への接触
  • 長期間の荷重

などが性能に影響する可能性があります。

同じ素材でも、室内で使用する場合と、厳しい温湿度環境や薬品に接触する環境で使用する場合では、求められる特性が異なります。

使用場所や周囲の環境まで含めて素材を選ぶことが、長期使用時のトラブルを防ぐポイントです。

「硬いウレタン=ヘタリにくい」ではない?

ヘタリ対策として、「もっと硬いウレタンフォームに変更すればよい」と考えるケースがあります。

しかし、硬度を高くするだけで必ずしも最適な対策になるとは限りません。

硬度を上げることで、

  • 必要なクッション性が得られなくなる
  • 圧縮荷重が大きくなる
  • 相手部品への負担が増える
  • 求めていた衝撃吸収性能が変わる

といった影響が出る可能性があります。

重要なのは、「ヘタリにくい素材」を単純に選ぶことではなく、必要な性能を満たしながら、実際の圧縮条件に耐えられる素材を選ぶことです。

例えば、柔らかさが必要なクッション用途では、単純に硬度を高くするのではなく、密度や反発性、使用時の圧縮率も含めて検討する必要があります。

用途から考える、ウレタンフォーム選定のポイント

ウレタンフォームの選定では、まず「何に使用するのか」を明確にすることが、最初に確認しておきたい点です。

クッション・座面用途

クッション用途では、柔らかさだけでなく、

  • 反発性
  • 繰り返し圧縮への耐久性
  • 使用者の体重による圧縮量
  • 使用頻度

などを確認します。

初期の座り心地だけでなく、長期間使用した際の性能変化も重量です。

緩衝材・梱包材用途

緩衝材では、

  • 衝撃をどの程度吸収したいか
  • 製品重量
  • 落下高さ
  • 繰り返し使用の有無
  • 圧縮後の復元性

などが選定ポイントになります。

必要以上に硬い素材を使用すると、十分な衝撃吸収が得られない場合もあります。

関連記事:【ウレタン緩衝材のオーダー加工】製品に合う素材選定から、試作・量産・追加工まで

パッキン・シール用途

パッキンやシール用途では、一定の圧縮状態を長期間維持するケースがあります。

そのため、

  • 初期の圧縮率
  • 長期間の圧縮による復元性
  • 使用温度
  • 水や油などへの接触
  • 必要な密閉性能

などを確認する必要があります。

特に、「十分に潰せば密閉性が高くなる」と考えて必要以上に圧縮すると、素材への負担が大きくなる可能性があります。

用途に必要なシール性能と、素材の圧縮条件のバランスをどのように取るかは、検討時に重視したいポイントです。

関連記事:シールとは?止水・エアー漏れを防ぐ仕組みと特性

ヘタリを防ぐための素材選定チェックポイント

ウレタンフォームを選定する際は、次の項目を確認すると、使用後のトラブルを防ぎやすくなります。

チェックポイント① 使用目的を明確にする

まず、

  • クッション
  • 緩衝
  • シール
  • 断熱
  • 吸音
  • その他

など、ウレタンフォームに何を求めるのかを明確にします。

チェックポイント② 実際の圧縮率を確認する

素材の厚みと、使用時にどこまで圧縮されるかを確認します。

「組み付け時にどの程度潰れるか」を把握することで、過度な圧縮を避けやすくなります。

チェックポイント③ 繰り返し使用の有無を確認する

一度だけ圧縮されるのか、毎日繰り返し圧縮されるのかによって、必要な耐久性は異なります。

可能であれば、

  • 1日の使用回数
  • 想定使用期間
  • 繰り返し回数

も確認しておくと、より適切な選定につながります。

チェックポイント④ 使用環境を確認する

温度、湿度、水、油、薬品など、使用環境を確認します。

素材そのものの性能だけでなく、「どのような環境で、どのような状態で使われるのか」まで把握することが、選定時に欠かせない視点となります。す。

チェックポイント⑤ 密度・硬度だけで判断しない

密度や硬度は重要な指標ですが、それだけで判断せず、

素材の種類 × 密度 × 硬度 × 圧縮率 × 使用環境

という複数の条件から検討することをおすすめします。

圧縮残留歪とは?

ウレタンフォームの「ヘタリにくさ」を判断する際の指標の一つが、圧縮残留歪です。

圧縮残留歪とは、ウレタンフォームを一定時間圧縮した後、圧縮を解除しても元の厚みに戻らずに残る「永久的な変形」の割合を示したものです。数値が小さいほど、圧縮後に元の厚みに戻りやすく、ヘタリにくさの一つの目安となります。

ただし、実際の使用環境では、圧縮率や荷重の大きさ、繰り返し回数、温度などによってヘタリの程度が変わります。そのため、圧縮残留歪の数値だけで判断するのではなく、実際の用途や使用条件に適した素材を選ぶことが重要です。

こうした長期使用時のヘタリ対策にも適した高機能ウレタンフォームとして、当社ではSlimFlex(スリムフレックス)シリーズを取り扱っています。

ヘタリにくいウレタンフォームを選ぶなら「SlimFlex」

ここまで解説したように、ウレタンフォームのヘタリを抑えるためには、素材の種類だけでなく、使用時の圧縮率や繰り返し荷重、使用環境などを考慮した素材選定が重要です。

特に、長期間にわたって圧縮される用途や、繰り返し荷重がかかる用途では、圧縮後の復元性や耐久性に配慮した素材を選ぶことがポイントになります。

当社では、さまざまな用途や要求性能に対応できる高機能ウレタンフォーム「SlimFlex」シリーズを取り扱っています。

ウレタンフォームがすぐヘタる原因とは?用途・圧縮率・素材から考える選定ポイント | スポンジのプロ.com

SlimFlexには、

  • 衝撃吸収性を重視したタイプ
  • 薄物用途に適したタイプ
  • 耐荷重性に優れたタイプ
  • 特殊な表面機能を持つタイプ
  • 低発生ガス・難燃性を備えたタイプ

など、さまざまなシリーズがあります

SlimFlexシリーズの主な特徴

シリーズ特徴このような用途におすすめ
コンシューマー衝撃吸収性・形状追従性・反発性など、用途に応じたグレードを展開スポーツ用品、インソール、プロテクターなど
PETサポート薄物薄さと柔らかさ・剛性を両立電子機器のパッキン、薄型クッションなど
フットパッド耐荷重性・防振性・グリップ性に優れる家電・AV機器などの足ゴム
特殊表面グリップ・摺動・低密着などの表面機能を付与スペーサー、トレイ、滑り止めなど
低発生ガス・難燃低発生ガス、難燃性、耐熱性などに対応電子機器、バッテリーなど
スタンダード密度・硬度の幅広いラインナップシール、防振、衝撃吸収など

SlimFlexはシリーズによって特性が異なるため、「硬いものを選べばヘタリにくい」という単純な選び方ではなく、用途・圧縮率・荷重・温度・必要な機能に合わせてグレードを選定することが重要です。

例えば、繰り返し荷重がかかる足ゴム用途ではフットパッドシリーズ、高温環境でのヘタリ対策では低発生ガス・難燃シリーズのTRタイプなど、使用条件に合わせた選択肢があります。

「現在使用しているウレタンフォームがヘタってしまう」「長期間使用できる素材に変更したい」といった場合は、使用条件を確認したうえで適した素材をご提案します。

ウレタンフォーム選定は「素材」だけでなく「使い方」まで考えることが重要

ウレタンフォームのヘタリを抑えるためには、高密度の素材や硬い素材を選ぶだけでは十分とはいえません。

重要なのは、次の3つです。

① 用途に合った素材を選ぶ

必要なクッション性、反発性、耐久性などを確認します。

② 過度な圧縮を避ける

実際の組み付け状態を確認し、必要以上に素材を潰していないか確認します。

③ 使用環境を考慮する

温度や湿度、水、油などの影響も含めて選定します。

このように、「どの素材を使うか」だけでなく、「どのように使うか」まで考えることが、長期間安定して使用できるウレタンフォーム選定のポイントです。

ウレタンフォーム選びでお困りの方へ

「今使用しているスポンジがすぐにヘタってしまう」
「長期間使用できる素材に変更したい」
「硬度や密度を変更すれば改善できるのかわからない」

このような場合は、現在使用している素材だけでなく、用途、使用環境、圧縮率、必要な性能を確認することで、改善の方向性が見えてくる場合があります。

当社では、ウレタンフォームをはじめとした各種スポンジ素材について、用途や使用条件に合わせた素材選定・加工のご相談に対応しています。

「どのスポンジを選べばよいかわからない」という段階でも、お気軽にご相談ください。

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